エアコンを長く使用していると、内部にカビやホコリが蓄積して不快なニオイや性能低下を引き起こすことをご存知ですか?多くの方が定期的なエアコンの内部クリーンの重要性を見過ごしがちです。実は、適切な内部クリーンを行うことで、エアコンの寿命延長や電気代の節約、さらには室内の空気質改善にもつながります。
この記事では、エアコン内部クリーンの仕組みから効果的な使い方、そして専門業者に依頼する場合のポイントまで、あなたのエアコンを最適な状態に保つための情報を徹底解説します。セルフクリーニングと専門クリーニングそれぞれのメリット・デメリットも比較しながら、あなたに最適な方法を見つける手助けをします。
内部クリーンを定期的に行うことで得られるメリットは以下の通りです。
- 冷暖房効率の向上による電気代の削減
- カビやホコリによるアレルギー症状の軽減
- 不快なニオイの解消
- エアコン本体の寿命延長
- 快適な室内環境の維持
この記事を最後まで読むことで、エアコン内部クリーンの正しい知識と実践方法を身につけ、より健康的で快適な室内環境を実現できるようになります。さらに、無駄な出費を抑えながらエアコンを長く効率的に使用するためのノウハウも手に入れることができます。
エアコンの内部クリーンとは
エアコンの内部クリーンとは、エアコン内部の湿気や結露を取り除くための自動機能です。多くの現代的なエアコンに搭載されており、運転終了後に自動的に作動して内部を乾燥させることで、カビやホコリの繁殖を抑制します。この機能はエアコン内部の衛生環境を維持するための重要なメンテナンス機能として、多くのメーカーが採用しています。
内部クリーンの機能は「清掃」ではなく「乾燥」
エアコンの内部クリーン機能は、名前から誤解されがちですが、実際には内部を物理的に清掃するものではありません。この機能の本質は「乾燥」にあります。エアコン運転後の内部は湿気を多く含んでおり、その状態を放置するとカビや雑菌の繁殖に適した環境となってしまいます。
内部クリーン機能は、送風や弱い暖房運転によってエアコン内部の熱交換器や送風経路の湿気を効率的に除去することを目的としています。つまり、ホコリやカビを直接除去するわけではなく、それらが繁殖しにくい環境を作り出すための予防的な機能なのです。
この点を理解しておくことで、内部クリーン機能の効果的な活用や、定期的な専門業者によるクリーニングの必要性も適切に判断できるようになります。
エアコンの内部クリーン機能の仕組み
エアコンの内部クリーン機能は、主に以下のようなプロセスで動作します。まず、通常の冷房運転が終了すると、内部クリーンモードに自動的に切り替わります。このとき、多くの機種では内部クリーン運転中であることを示すランプが点灯します。
運転の仕組みはメーカーや機種によって異なりますが、一般的には次のような方法が採用されています。
- 送風運転による乾燥:単純に送風機能を使って内部の空気を循環させ、自然乾燥を促進します
- 弱い暖房運転:短時間の弱い暖房運転で熱交換器を温め、付着した水分を蒸発させます
- 冷房と送風の組み合わせ:まず冷房で熱交換器に霜を付け、その後送風で霜を溶かして汚れを流し落とす方式もあります
最新のエアコンモデルでは、内部クリーン機能にイオン技術や特殊な抗菌コーティングを組み合わせた高度な機能も登場しています。これにより、単なる乾燥だけでなく、より積極的に雑菌やカビの繁殖を抑制する効果が期待できます。
内部クリーン運転の時間は通常15〜30分程度で、使用状況や室内の湿度によって自動的に調整される機種もあります。運転中は微量の電力を消費しますが、エアコンの寿命を延ばし、クリーニング頻度を減らせるというメリットがあります。

エアコンの内部クリーンとは、内部の湿気を乾燥させることでカビや雑菌の繁殖を防ぐ機能です。実際には物理的な清掃ではなく、送風や弱暖房による乾燥が主な仕組みとなっています。
エアコンの内部クリーンとお掃除機能付きエアコンの違い
エアコンの内部クリーンとお掃除機能は、どちらもエアコンを清潔に保つための機能ですが、その仕組みや効果は大きく異なります。内部クリーンは主に湿気を除去する乾燥機能を活用し、カビやニオイの発生を抑制します。一方、お掃除機能は物理的にフィルターやファンを清掃する機能です。これらの違いを理解することで、エアコンのメンテナンスをより効果的に行うことができます。
内部クリーンは乾燥機能、お掃除機能は物理的な清掃
内部クリーン機能は、エアコン停止後に内部の湿気を乾燥させる仕組みです。エアコンを使用すると、熱交換器や送風路に結露が発生します。この水分がカビや雑菌の温床となるため、運転停止後に送風や弱い暖房運転で内部を乾燥させることで、微生物の繁殖を防ぎます。
一般的な内部クリーン機能は以下のような動作をします。
- 冷房・除湿運転後に自動的に作動
- 送風または弱い暖房運転で内部の湿気を除去
- 約30分〜1時間程度の運転で内部を乾燥
- 電気代は1回あたり数円程度
一方、お掃除機能付きエアコンは、物理的な清掃メカニズムを備えています。自動でフィルターを掃除するブラシやダストボックスが内蔵されており、定期的または運転終了後に自動的にフィルターのホコリを除去します。最新の高機能モデルでは、熱交換器やファンの汚れも自動で清掃できるものもあります。
機能の目的と効果の違い
内部クリーンとお掃除機能は、それぞれ異なる目的と効果を持っています。内部クリーンは主に「予防」に重点を置いており、カビや雑菌の繁殖を抑制することで、ニオイの発生や健康被害を未然に防ぎます。湿気を取り除くことで、次回エアコンを使用する際に清潔な空気を供給できるようにするのが主な目的です。
これに対して、お掃除機能は「除去」に焦点を当てています。すでに付着したホコリやゴミを物理的に取り除くことで、エアコンの性能低下を防ぎ、消費電力の増加を抑制します。特にフィルターの目詰まりは空気の流れを阻害し、冷暖房効率を下げる原因となるため、定期的な清掃が重要です。
効果の持続性にも違いがあります。内部クリーンは一時的な乾燥効果があるものの、長期間使用しないとその効果は薄れます。一方、お掃除機能による物理的な清掃は、ホコリの蓄積を継続的に防ぐため、より長期的な効果が期待できます。
両機能の併用がもたらす効果
内部クリーンとお掃除機能を併用することで、エアコンのメンテナンス効果を最大化できます。両機能を搭載したエアコンでは、物理的な清掃と乾燥処理の両方が行われるため、より総合的なクリーニング効果が得られます。
併用によるメリットには以下のようなものがあります。
- ホコリの除去と湿気対策の両方が可能
- カビやニオイの発生リスクを大幅に低減
- エアコンの寿命延長に貢献
- 省エネ効果の持続
- 室内の空気質の向上
ただし、両機能を持つエアコンは価格が高くなる傾向があります。費用対効果を考慮すると、使用環境や使用頻度によって最適な選択は異なります。例えば、アレルギー体質の方がいる家庭や、ペットを飼っている環境では、両機能を備えたモデルが有効でしょう。一方、使用頻度が低い部屋では、どちらか一方の機能だけでも十分な場合があります。
また、両機能があっても定期的なプロによるクリーニングは必要です。内部クリーンやお掃除機能では対応できない深部の汚れは、1〜2年に一度の専門業者によるクリーニングで対処するのが望ましいでしょう。

エアコンの内部クリーンは湿気を取り除く乾燥機能、お掃除機能は物理的な清掃機能と役割が異なり、併用することでカビ予防と性能維持の両面から効果を発揮します。使用環境に合わせた適切な機能選択とメンテナンスが快適な空調環境の維持につながります。
エアコンの内部クリーンの効果
エアコンの内部クリーン機能は、室内機内部の湿気を除去し、カビや雑菌の繁殖を抑制する効果的なメンテナンス機能です。通常の使用では見えない内部の熱交換器やファンに付着した水分を乾燥させることで、エアコン内部を清潔に保ち、快適な空調環境を維持します。この機能を定期的に活用することで、カビ臭さの防止、冷暖房効率の維持、エアコン寿命の延長など多くのメリットが得られます。
カビの増殖を抑える
エアコン内部は湿度と温度の条件が揃いやすく、カビが繁殖しやすい環境です。特に梅雨時期や冷房使用後は、熱交換器に結露が発生し、そこにホコリが付着することでカビの温床となります。
内部クリーン機能は、エアコン停止後に自動的に内部送風を行い、熱交換器やファンに付着した水分を効果的に乾燥させます。湿度の高い環境では48時間以内にカビが発生し始めるとされていますが、内部クリーンによって乾燥状態を保つことで、カビの胞子が発芽・増殖するための条件を取り除きます。
汚れの付着を防ぐ
エアコン内部には、空気中の微細なホコリや花粉、PM2.5などの汚染物質が徐々に蓄積します。これらの汚れは湿った状態の熱交換器に特に付着しやすく、時間の経過とともに固着化する傾向があります。
内部クリーン機能は、熱交換器表面を乾燥させることで汚れの付着を大幅に軽減します。乾いた表面には湿った表面と比較して約30%ほど汚れが付きにくいというデータもあります。これにより、定期的なプロによるクリーニングの間隔を延ばすことも可能になり、メンテナンスコストの削減にもつながります。
エアコン運転時のニオイを抑える
エアコンから発生する不快なニオイの主な原因は、内部に繁殖したカビや雑菌です。特に長期間使用していないエアコンを久しぶりに稼働させた際に感じる「カビ臭さ」は、内部の湿気が原因となっています。
内部クリーン機能は、カビや雑菌の繁殖環境を根本から改善することでニオイの発生を効果的に抑制します。定期的に内部クリーンを実行することで、エアコンから送風される空気は清浄に保たれ、特にアレルギー体質の方や小さなお子さんがいるご家庭では、より健康的な室内環境の維持に役立ちます。
1回約3円の節約術
内部クリーン機能は、一般的に1回の使用で約3円程度の電気代しかかからない経済的な機能です。これに対し、カビや汚れが蓄積したエアコンは、熱交換効率が低下して電力消費が増加します。実際に、内部が汚れたエアコンは、清潔な状態と比較して約10〜15%も多くの電力を消費するというデータがあります。
つまり、わずか3円の投資で長期的には大きな電気代の節約につながるのです。例えば、夏場に1日8時間エアコンを使用する家庭では、内部クリーンを定期的に行うことで月に約500〜1,000円の電気代削減効果が期待できます。また、エアコンの寿命延長効果も考慮すると、その経済的メリットはさらに大きくなります。
エアコンの内部クリーン機能がない場合は?
エアコンの内部クリーン機能は近年の多くの機種に搭載されている便利な機能ですが、古い機種や一部の低価格モデルには搭載されていないことがあります。内部クリーン機能がないエアコンでも、適切な代替方法を実践することで、カビや雑菌の繁殖を抑制し、清潔な空気環境を維持することが可能です。内部クリーン機能がなくても諦める必要はなく、いくつかの効果的な方法で同様の効果を得ることができます。
送風運転による代替方法
内部クリーン機能がないエアコンでも、送風運転を活用することで内部の湿気を効果的に取り除くことができます。冷房運転後は内部に結露が発生しているため、この水分がカビの温床となります。冷房使用後に30分程度の送風運転を行うことで、熱交換器や内部パーツについた結露を乾燥させることが可能です。
送風運転を行う際は、以下の手順が効果的です。
- 冷房運転終了後、すぐにリモコンで送風モードに切り替える
- 風量は「強」に設定し、30分程度運転を継続する
- 風向は下向きにすると、熱交換器全体を効率よく乾燥できる
- 週に1〜2回は送風運転後にエアコンの電源プラグを抜き、フィルターの清掃も行う
この方法は電気代も比較的安く、内部クリーン機能の代替方法として非常に実用的です。特に梅雨や夏場など湿度が高い時期には、使用後の送風運転を習慣にすることでカビの発生リスクを大幅に減らせます。
市販の防カビスプレーの活用法
エアコン専用の防カビスプレーを使用することも、内部クリーン機能の代替として効果的な方法です。これらのスプレーには抗菌・防カビ成分が含まれており、エアコン内部の菌やカビの繁殖を抑制する効果があります。使用する際は、必ずエアコンの電源を切り、フィルターを取り外した状態で行います。
防カビスプレーの効果的な使用方法は以下の通りです。
- エアコンの電源プラグを抜き、安全を確保する
- フロントパネルとフィルターを取り外す
- スプレーの説明書に従い、熱交換器や送風ファンに適量を噴霧する
- スプレー後は10〜15分程度そのままにして成分を浸透させる
- 清掃したフィルターを戻し、フロントパネルを閉める
市販の防カビスプレーは季節の変わり目や、梅雨入り前、エアコンの使用頻度が高くなる前などに使用すると効果的です。ただし、スプレーの種類によっては独特の香りが残ることがあるため、使用後は短時間の換気を行うことをおすすめします。
定期的な掃除でカビを防ぐ方法
内部クリーン機能がなくても、定期的な清掃を行うことでエアコン内部のカビ発生を効果的に防ぐことができます。エアコンの掃除は、使用頻度にもよりますが、2〜3ヶ月に1回程度を目安に行うと良いでしょう。特にフィルター清掃は2週間に1回程度行うことで、内部へのホコリの侵入を防ぎ、カビの繁殖を抑制できます。
効果的なエアコン掃除の手順は以下の通りです。
- エアコンの電源を切り、プラグを抜く
- フロントパネルを開け、フィルターを取り外す
- フィルターは掃除機でホコリを吸い取った後、水洗いする
- フィルターは完全に乾かしてから取り付ける
- 熱交換器(アルミフィン)は専用のブラシで優しく清掃する
- ドレンパン(水受け皿)にたまった汚れも定期的に拭き取る
自分でのクリーニングに限界を感じる場合は、年に1回程度、プロによるクリーニングサービスを利用することも検討すると良いでしょう。プロのクリーニングでは分解洗浄により、自分では手の届かない部分まで徹底的に清掃してくれます。
掃除箇所 | 頻度 | 方法 |
---|---|---|
フィルター | 2週間に1回 | 掃除機→水洗い→乾燥 |
フロントパネル | 1ヶ月に1回 | 湿らせた布で拭く |
熱交換器 | 2〜3ヶ月に1回 | 専用ブラシで清掃 or 専門業者に依頼 |
ドレンパン | 3ヶ月に1回 | 水拭き、カビ取り剤使用 or 専門業者に依頼 |
プロによる分解洗浄 | 年に1回 | 専門業者に依頼 |
内部クリーン機能がないエアコンでも、送風運転の活用、防カビスプレーの使用、定期的な掃除を組み合わせることで、カビや雑菌の繁殖を効果的に抑制し、清潔な空気環境を維持することができます。

特に使用後の送風運転は手軽で効果的な方法です。
エアコンの内部クリーンのデメリット
エアコンの内部クリーン機能は優れたメンテナンス方法ですが、いくつかの注意点やデメリットも存在します。この機能を効果的に活用するためには、内部クリーン機能のデメリットを理解し、適切に対処することが重要です。以下では、内部クリーン使用時に生じる可能性のある問題点を詳しく解説します。
室内の温度が高くなる
内部クリーン機能を作動させると、エアコン内部の湿気を乾燥させるために温風が出ることがあります。この過程で室内温度が一時的に上昇することが避けられません。特に夏場や就寝前に内部クリーンを実行すると、室温が上がって不快に感じることがあります。
この問題を軽減するには、在宅していない時間帯や外出前など、室温上昇が気にならない時間帯に内部クリーンを実施するのがおすすめです。また、一部の最新モデルでは温度上昇を抑えた内部クリーン機能を搭載している製品もあります。
一時的にニオイが発生する可能性がある
内部クリーン機能は、エアコン内部に付着したカビやホコリを乾燥させて成長を抑制しますが、この過程で一時的に不快なニオイが発生することがあります。特に長期間内部クリーンを行っていなかった場合や、エアコン内部の汚れが多い場合に顕著です。
ニオイの問題を軽減するには、定期的に内部クリーン機能を使用して汚れの蓄積を防ぐことが効果的です。また、窓を開けて換気をしながら内部クリーンを行うことで、ニオイの拡散を抑えることができます。
内部クリーン作動中は他の機能が使用できない
内部クリーン機能が作動している間は、冷房や暖房などの通常運転ができないという制約があります。多くの機種では内部クリーンの動作時間は約30分〜1時間程度ですが、この間はエアコンの温度調節機能が使えません。
急に冷房や暖房が必要になった場合でも、内部クリーン中は中断しなければならないため、タイミングを考慮して実行することが重要です。例えば、外出前や就寝前など、すぐにエアコンを使用する予定がない時間帯を選ぶと良いでしょう。
電気代がかかる
内部クリーン機能は、エアコン内部を乾燥させるために送風や加熱を行うため、電力を消費します。一回の内部クリーン運転で使用する電力量は機種によって異なりますが、一般的に1〜5円程度の電気代がかかると言われています。
頻繁に内部クリーンを実行すると、月々の電気代に影響する可能性があります。ただし、プロによるクリーニングサービスと比較すると、内部クリーン機能の電気代は非常に経済的です。効果的な使用頻度としては、冷房や除湿の使用後、1日1回程度が目安となります。

エアコンの内部クリーン機能のデメリットには室温上昇、一時的なニオイの発生、機能制限、電気代の増加があります。これらを理解した上で適切なタイミングで使用することで、効果的にエアコンを清潔に保つことができます。
内部クリーンを実行してもエアコン掃除は必須
エアコンの内部クリーン機能は便利な自動洗浄システムですが、これだけでエアコンのメンテナンスが完結するわけではありません。内部クリーン機能は主に熱交換器の表面に付着した水分や軽度の汚れを乾燥させる程度の補助的なメンテナンス機能に過ぎないのです。長期間にわたって蓄積された汚れやカビ、ホコリは内部クリーンだけでは除去できないため、定期的な本格的なクリーニングが欠かせません。
内部クリーンだけでは取れない汚れがある
エアコン内部には、内部クリーン機能だけでは対処できない様々な汚れが蓄積します。特に熱交換器の奥や送風ファン、ドレンパンなどの部分は、自動洗浄機能が十分に作用しない場所です。これらの箇所にはカビや細菌、油汚れが徐々に蓄積していきます。
例えば、キッチン近くに設置されたエアコンは油分を含んだ空気を吸い込むため、内部に油汚れが付着しやすくなります。この油汚れは内部クリーン機能だけでは除去できず、時間の経過とともに悪臭や性能低下の原因となります。
プロによるエアコンクリーニングの重要性
エアコンの内部を徹底的に清潔に保つためには、専門業者によるプロフェッショナルなクリーニングサービスを定期的に利用することが重要です。プロのクリーニングでは、エアコンを部分的に分解し、高圧洗浄機や専用の洗剤を使用して内部の隅々まで洗浄します。
プロによるクリーニングは通常、以下のような工程で行われます:
- エアコンカバーの取り外しと内部構造の点検
- 熱交換器の高圧洗浄
- 送風ファンの分解洗浄
- ドレンパンや排水経路の清掃
- 抗菌・防カビ処理
- 各部品の乾燥と再組み立て
これにより、内部クリーン機能では対処できない深部の汚れまで確実に除去でき、エアコンの性能回復や寿命延長につながります。一般的には1〜2年に一度のプロのクリーニングが推奨されています。
自分でできるエアコンのメンテナンス方法
プロによるクリーニングの間にも、自分でできる基本的なメンテナンスを定期的に行うことで、エアコンの状態を良好に保つことができます。特にフィルター清掃は2週間に1回程度の頻度で行うことが理想的です。また、シーズン前後の簡単な掃除も効果的なメンテナンス方法となります。
内部クリーン機能を活用しながら、以下の自己メンテナンスを組み合わせることで、プロのクリーニング頻度を適切に保つことができます。
フィルター掃除の手順
エアコンフィルターは最も手軽に掃除できる部分であり、定期的な清掃が空気清浄効果と省エネに直結します。フィルター掃除は以下の手順で行いましょう。
- エアコンの電源を切り、可能であれば電源プラグを抜く
- フロントパネルを両手で支えながら手前に引き、完全に開く
- フィルターのつまみを軽く押し上げて手前に引き出す
- 掃除機でホコリを吸い取る(軽度の汚れの場合)
- 水洗いする場合は中性洗剤を薄めた水で優しく洗い、十分に乾かす
- 完全に乾いたフィルターを元の位置に戻し、フロントパネルを閉じる
フィルターが破れたり変形したりしている場合は、メーカーから交換用フィルターを購入して交換することをおすすめします。フィルターの状態が悪いと、エアコンの効率が大幅に低下します。
吹き出し口周辺の掃除方法
吹き出し口周辺は目に見える汚れが付着しやすい場所であり、見た目の清潔感だけでなく、空気の質にも影響します。以下の方法で定期的に清掃しましょう。
- マイクロファイバークロスで吹き出し口の表面を拭く
- 吹き出し口のルーバー(風向板)は、乾いた柔らかいブラシで隙間のホコリを取り除く
- 頑固な汚れには、中性洗剤を薄めた水で湿らせたクロスで拭き取り、その後乾いたクロスで水分を拭き取る
- 吹き出し口の奥に見えるファンの部分は、無理に手を入れず、長柄のブラシや掃除機の細いノズルを使って慎重に清掃する
吹き出し口の清掃時には、ルーバーを無理に動かしたり、強い力を加えたりしないよう注意が必要です。破損の原因となることがあります。

内部クリーン機能は便利ですが、完全なクリーニング代替にはなりません。定期的なプロのクリーニングと日常的な自己メンテナンスを組み合わせることで、エアコンを清潔に保ち、効率的な運転と長寿命化を実現できます。
よくある質問
内部クリーンは一般的に2週間に1回程度の使用が推奨されています。特に梅雨や夏場など湿度が高い時期は週1回程度の頻度で実施するとカビの発生を効果的に抑制できます。エアコンの使用頻度が高い場合や、ペットを飼っているご家庭ではより頻繁に行うことで清潔な空気環境を維持できます。
内部クリーン運転中に部屋にいても健康上の問題はありませんが、運転中は冷たい風や温風が出ることがあるため、快適さの面では離れた場所で過ごすことをおすすめします。また、運転中は内部の湿気を乾燥させるため、一時的に部屋の湿度が上がることがあります。特に就寝時は音が気になる場合もあるでしょう。
冬場も内部クリーン機能を定期的に使用することをおすすめします。暖房運転後はエアコン内部に結露が発生しやすく、カビの温床となる可能性があります。特に暖房をよく使用する日や、室内外の温度差が大きい日は内部クリーンを行うことで、次のシーズンに清潔な状態でエアコンを使い始めることができます。
内部クリーン運転の時間は機種によって異なりますが、一般的には30分〜2時間程度です。最新モデルでは自動で最適な運転時間を設定する機能を搭載しているものもあります。内部の湿度や汚れ具合に応じて時間が調整される場合もあるため、初めて使用する際はメーカーの取扱説明書で確認することをおすすめします。
まとめ:エアコンの内部クリーン機能を効果的に活用しよう
本記事では、エアコンの内部クリーン機能について詳しく解説してきました。この機能は単なる清掃ではなく、エアコン内部を乾燥させることでカビの発生を抑制する仕組みであることがおわかりいただけたと思います。
内部クリーン機能とお掃除機能は異なる目的を持っています。内部クリーンは湿気を取り除いてカビの増殖を防ぐ一方、お掃除機能は物理的に汚れを除去します。両方の機能を併用することで、より効果的にエアコンを清潔に保つことができます。
内部クリーン機能の主な効果は以下の通りです。
- カビの増殖抑制
- 汚れの付着防止
- 不快なニオイの軽減
- 長期的なエアコンの性能維持
ただし、内部クリーンにもいくつかのデメリットがあります。室内温度の上昇や一時的なニオイの発生、電気代の追加負担などが考えられますが、これらのデメリットを考慮しても、カビ対策としての効果は非常に高いと言えるでしょう。
内部クリーン機能がないエアコンをお使いの場合でも、送風運転による代替方法や市販の防カビスプレーの活用、定期的な掃除によってカビを防ぐことが可能です。
重要なのは、内部クリーン機能だけでは完全なエアコンのメンテナンスにはならないという点です。定期的なフィルター掃除や吹き出し口周辺の清掃、そして年に1〜2回のプロによるエアコンクリーニングを組み合わせることで、エアコンを最適な状態に保つことができます。
これからの季節、エアコンの使用頻度が高まるにつれて内部の湿気も増加します。日常的に内部クリーン機能を活用し、定期的なメンテナンスと組み合わせることで、清潔で快適な空調環境を維持しましょう。健康的な室内環境づくりのために、今日からエアコンの内部クリーン機能を効果的に取り入れてみてはいかがでしょうか。